いよいよブラックフライデー期間に突入し、街でもクリスマスソングが流れ始めてきた11月末。しかしオンライン注文ではiPhoneやiPadの一部モデルがクリスマスまでに届かない可能性もあり、お目当ての製品を店頭で見かけたなら直ぐ買っておきたいかもしれません。
iPhone 14 Pro(仮)はUSB-C搭載?からARヘッドセットはMac並みプロセッサ採用?まで、最新アップルの噂をまとめてお届けします。
Arm版WindowsがM1 Macに提供されないのは「マイクロソフトとクアルコムが独占契約していたから」との噂
マイクロソフトはMac用仮想化アプリのParallelsと協力していたこともあり、Arm用Windows 11を(同じくArmアーキテクチャを持つ)M1 Mac向けに提供する可能性も憶測されていました。が、実際には「サポート想定されていない」として、ひとまず棚上げされています。
それは何故かといえば「MSとクアルコムが、ArmベースのWindowsについて独占契約しているから」との噂話です。じじつ記事執筆時点では、Arm版Windows 10/11が正式サポートされているノートPCはメーカーがMSにしろHPにしろLenovoにしろ、すべてクアルコム製SoCを搭載する製品に限られています。
しかし開発者コミュニティXDA-Dvelopers情報によると、本契約は「まもなく終了する」とのこと。ほぼ時を同じくして、やはりArmベースチップを作るMediatekがArm版Windows PCについてMSと提携する意欲を示しており、一定の信ぴょう性がありそうです。
M1(あるいはM1 Pro/Max) Mac上でWindowsが使えるのは魅力ではあるものの、やはり本命は「クアルコム製以外のArmベースチップが投入され、Arm Windows PCの性能が底上げされること」かもしれません。かたやクアルコムもAppleSilicon対応SoCの開発計画を公開しており、複数の企業が競い合うことでチップ性能の向上が加速すると期待したいところです。
iPhone 14 Pro(仮)はUSB-C搭載?転送速度の遅さやEU規制のためLightningは限界のウワサ
新型iPhoneにLightning端子に替えてUSB-Cポート搭載を望む声は少なくないものの、近い将来はあり得ないとのアナリスト予測や、一足飛びに物理的な開口部がないポートレスになるというリーカー(注目の未発表製品にまつわる有力情報を発信する人)情報もありました。
そこに新たに、来年のiPhone 14 Pro(仮)モデルではUSB-C採用が検討されているとの噂話が報じられました。アップル関連情報サイトiDropNewsの情報筋によれば、その主な理由は3つで「転送速度のネック解消」「法的規制の回避」および「環境保護の必要から」とのことです。
今年のiPhone 13 Proモデルでは遂に1TBモデルが追加されましたが、おそらくプロ向けのProResフォーマット動画を記録可能になったことで、巨大化したファイルも収納する必要に迫られたためと思われます。
とはいえ、外部デバイスとの有線接続はいぜんとしてLightningポート、つまりUSB 2.0相当の速度しか出ないため、MacやPCにProResファイルを書き出す際には数時間かかることもザラではありません。本当に「Pro」向けの製品であれば、近年のiPad Proのように高速なUSB-Cポートは必須というわけです。
アップルはMagSafeとは別の充電ポートを検討していると思しき特許を取得しており、いっそうポートレスiPhoneが現実味を帯びていました。が、内蔵カメラの高性能化に伴って「外に書き出す有線の高速ポート」が切実に求められていることもあり、USB-C採用は不可避なのかもしれません。
MacBook Air(2022)はノッチなしに? 新たな予測画像が公開
新型MacBook Proが発売されて以降、MacBook Air後継モデルは「お手ごろ価格の次のMac」としてホットな注目を集めています。そんななか、新たな予想レンダリング画像が公開されました。
有名リーカーLeaksApplePro氏はアップルから直接入手したCADデータがネタ元だと仄めかしていますが、信ぴょう性を確かめるすべはありません。ともあれ「新型Proモデルと同じく直線的で箱っぽい全体デザイン」や「Thunderboltポートは2つ、ただし左右に配置」や「MagSafe充電端子の追加」といった諸々の特徴は、他のリーカーらの予想とも一致しています。
ただし一点だけ違うのは、新型MacBook Proのようなノッチ(画面上部の切り欠き)がない、ということです。LeaksApplePro氏は今回の予想デザインが最終版だと示唆していることから「途中でノッチは検討されたが、結局なくされた」事態もありえそうです。
次期MacBook Airも14インチおよび16インチProモデルと同じくミニLED画面になる可能性は高いながらも、ProMotion(最大120Hzの可変リフレッシュレート)は備えていないとの噂もありました。ノッチもProを普及モデルと差別化する、高級感を狙ったプレミアム要素となるのかもしれません。
アップル設計iPhone用5Gモデム、TSMCにて2023年から量産開始か
スマートフォンにおいてモデムチップはSoC(プロセッサ)と並ぶ重要なパーツです。そのモデムチップをアップルが独自開発した上で2023年のiPhoneに搭載するとの噂が相次ぐなか、iPhone 13のA15 BionicやMac用M1チップなどの製造を請け負うTSMCが量産するとの予想が報じられました。
アップルが数年前から独自モデムチップに取り組んでいるのは、インテルのスマートフォン向けモデム事業の大半を買収したことからも公然の秘密です。また2020年末、アップル幹部が従業員向けのミーティングで「わが社初の内蔵セルラーモデムの開発をキックオフした」と話したとの証言もありました。
日経の情報筋いわく、テスト段階では5nmプロセス技術を使っているが、実際の量産時にはより高度な4nm技術を使う予定とのこと。今年のA15 BionicやM1チップなどは5nm製造ですが、4nm技術は2023年でもおそらく最先端技術に近いと思われます。
世界最大手半導体ファウンダリ(受託生産企業)TSMCの最先端生産ラインは確保が難しく、2022年分もアップルが大部分を押えているとの報道もありました。そのワリを、やはりTSMCに発注しているインテルなどが被るのかもしれません。
アップルARヘッドセットは2022年末発売、Mac並みプロセッサ搭載でiPhoneなしで動作するウワサ
アップル純正ARヘッドセットは数年前から噂されており、担当幹部が「2022年にARヘッドセット、2023年にはメガネ型デバイスをリリース」とのタイムラインを明かしたとの証言もありました。また今年4月には大手メディアBloombergが「今後、数か月のうちに発表を目指している」と報じ、最近も大量のAR関連特許が申請されていることがApple Watch発売前の状況に近いと指摘されています。
そんななか有名アナリストMing-Chi Kuo氏が「2022年第4四半期」と時間枠を区切った上で「「Macと同等のプロセッサを搭載し、iPhoneに依存せず独立して動作する」と投資家向けノートで述べたしだいです。Kuo氏も早くから「ARヘッドセットは2022年」と予想しており、「洗練されたアイトラッキングシステム」や虹彩によるユーザー認証など詳細に伝えてきました。
Kuo氏のいう「ARヘッドセット」とはビデオシースルー型、つまり頭や目をすっぽり覆うヘルメット型で前面にある外部カメラで撮影した風景をコンピュータ生成画像と合成して表示するしくみ。一般的にはMR(混合現実)ヘットセットと呼ばれる方式であり、マイクロソフトのHoloLens 2に近そうです。ちなみにHololens 2の単体価格は42万円以上(税込)であり、お手ごろとは言えません。
アップルの目標は「10年後にiPhoneをARに置き換えること」とも述べられていますが、高速なプロセッサや筐体の内外に多くのカメラ、4Kマイクロ有機EL画面などが本当だとすれば、1~2年内にiPhone並みのコストに抑えるのは難しいはず。10年後の普及をめざして、その初物はMac Pro的な高価格帯になるのかもしれません。