TP-Linkの「Archer AX90」は、性能を考えるとかなりお買い得な製品だ。
Wi-Fi 6対応で、しかも5GHz帯×2+2.4GHz帯×1のトライバンド対応機というと、実売価格が4万円台後半にもなる他メーカーではフラッグシップ級モデルと同等のスペックだ。
Archer AX90は、このスペックを備えながら実売価格は税込2万4800円(2月23日時点の価格)で購入できる。同価格帯の競合製品となると、国内外問わず各メーカーとも5GHz帯×1+2.4GHz帯×1のデュアルバンド対応機がほとんどだ。つまり、実質、5GHz帯1つ分が、価格アップなしで入手できることになる。
ちなみに同社製のラインアップでは、4804Mbps+1148Mbpsのデュアルバンド対応機「Archer AX6000」(2.5Gbps LAN対応で1.8GHzクアッドコアCPU搭載)が実売価格2万6800円なので、本製品の方がWi-Fiのスペックは上(CPUは若干クロックダウン)で、価格は安いことになる。
TP-Linkはもともとコスパの高さが特徴のメーカーではあるが、本製品も相変わらずの驚異的な価格設定だ。
Archer AX90 | |
実売価格 | 2万4800円 |
CPU | クアッドコア、1.5GHz |
メモリ | - |
Wi-Fiチップ(5GHz) | 非公表 |
Wi-Fi対応規格 | IEEE 802.11ax/ac/n/a/g/b |
バンド数 | 3 |
160MHz幅対応 | ○ |
最大速度(2.4GHz) | 574Mbps |
最大速度(5GHz-1) | 1201Mbps |
最大速度(5GHz-2) | 4804Mbps |
チャネル(2.4GHz) | 1~13 |
チャネル(5GHz-1) | W52/W53 |
チャネル(5GHz-2) | W56 |
新電波法(144ch) | ○ |
ストリーム数 | 4(5GHz-2) |
アンテナ | 8本(外付け) |
WPA3 | ○ |
IPoE IPv6 | ○ |
DS-Lite | × |
MAP-E | × |
セキュリティ | TP-Link HomeShield |
WAN/LAN | 1Gbps×1、2.5Gbps×1 |
LAN | 1Gbps×3 |
USB | USB 2.0×1、USB 3.0×1 |
動作モード | RT/AP |
ファームウェア自動更新 | ○ |
本体サイズ(幅×奥行×高さ) | 310.9×206.9×173.7mm |
トライバンドの恩恵は、本連載でも度々紹介している通りで、接続台数が多いケース、もしくは中継機やメッシュ構成で使うケースで、特に生きてくる。
例えば、同じ5GHz帯が2系統あれば、テレワーク用に帯域が必要な端末と、家庭用の動画配信機器やゲーム機などで、使う帯域を分けることができるし、クライアント接続用と中継用で5GHz帯を使い分ければ、中継専用の超高速な幹線路を用意できるわけだ。
詳しくは後述するが、本製品は単体でもかなり性能が高いため、一般的な木造の住宅などであれば家中を1台でまかなえるだろう。より広い住宅やマンションなどで中継機やメッシュで利用せざるを得ないときも、このプラス1の5GHz帯があると、中継には非常に有利だ。
そして家庭での利用はもちろんのこと、本製品には2.5Gbps対応のWAN/LANポートも搭載されているので、1Gpbs超えの高速なインターネット接続回線を利用している場合や、2.5Gbps対応のNASなどを利用しているケースにも対応できるようになっている。
とにかく速くて快適なホームWi-Fiを構築したいというニーズにも対応できるが、セキュリティやVPNサーバーなどの機能も搭載しているので、小規模なオフィスなどで利用するビジネス用のWi-Fiルーターとしても使える活用の幅が広い製品と言えそうだ。