ただ、インターネットを利用していてもユーザーがIPアドレスを意識することは少ない。最もよくある使用例は、ルーターの設定だろう。
最近のWi-Fiルーターはとても賢くなっていて、接続するだけでほとんどの機能がそのまま使えることが多い。ただ、第7回で紹介した二重ルーター問題などに対処するため、ルーターの設定画面を開きたいこともある。
ほとんどのルーターは、本体に設定されたIPアドレスをウェブブラウザーに入力すれば、設定画面にアクセスできるようになっている。この仕組みを理解していれば、特に悩むことはない。
「ZenWiFi AX(XT8)」の設定画面をウェブブラウザーで開いたところ。IPアドレスを入力すれば表示できる……と言いたいところだが、肝心のIPアドレスが分からなかったり、忘れてしまったりしたらどうすればいいのだろうか。方法はいくつかある。ASUSのメッシュWi-Fiルーター「ZenWiFi AX(XT8)」を例に見てみよう。
最もシンプルなのは、デフォルトゲートウェイのIPアドレスを確認することだ。デフォルトゲートウェイはたいてい、ルーターのIPアドレスと同じになっている。
Windows 10では、[設定]の画面で[ネットワークとインターネット]を選ぶと表示される[状態]タブにある[ネットワークのプロパティを表示]を選ぶと、接続中のネットワークの詳細情報が表示される。その中にあるデフォルトゲートウェイの値が、ルーターのIPアドレスとなる。
「ネットワークとインターネット」の設定で、「ネットワークのプロパティを表示」を選択デフォルトゲートウェイとして表示されている値がルーターのIPアドレスになるほかにも、コマンドプロンプトから「ipconfig」と入力しても確認できる。慣れた人なら、こちらの方が早いかもしれない。
コマンドプロンプトで「ipconfig」と入力してもIPアドレスを確認できる接続中のネットワークの詳細設定にデフォルトゲートウェイが書かれているAndroid端末では、Wi-Fi設定で接続中のネットワークを選び、詳細設定を開くと、デフォルトゲートウェイを確認できる。
ちなみにASUS製品では、スマートフォン向けの「ASUS Router」アプリを使えばもっと簡単だ。同社のルーターにWi-Fi接続した状態でアプリを起動すれば、IPアドレスを入力することなく、自動的にルーターを見つけてくれる。
ただ、ルーターの動作モードを第7回で紹介したアクセスポイントモードに設定すると、デフォルトゲートウェイとルーターのIPアドレスは異なる値となってしまう。
そうしたときも「ASUS Router」アプリなら心配は無用だ。アクセスポイントモードで動作するルーターのIPアドレスも、アプリから確認できる。ネットワークの知識がある人も、こういったアプリをインストールしておくと重宝するはずだ。
「ASUS Router」アプリを使えば、ネットワーク内のルーターを自動で探索。IPアドレスの入力は不要だアクセスポイントモードで動作しているルーターのIPアドレスも、アプリから確認できる